研究成果

トマト栽培における栄養状態診断に関する研究論文が国際誌に掲載

トマトの栄養状態をスマートフォンで簡単に診断できる新技術に関する研究論文が国際学術誌「IEEE Access」に掲載されました。この技術を活かした栽培支援システムの開発を進めています。

トマトの栄養状態をスマートフォンで簡単に診断できる新技術に関する研究論文が国際学術誌「IEEE Access」に掲載されました。この研究は精密農業の実現に向けた重要な一歩となります。

研究概要

この研究では、トマト(Solanum lycopersicum)の葉表面に存在する微細な毛状突起「トライコーム」の密度を測定することで、植物の栄養状態を評価する新しい手法を開発しました。若い葉のトライコーム密度は肥料ストレス(栄養不足)の状況下で変化することが確認され、これを栄養診断の指標として活用しています。

主な発見

  • トライコーム密度と葉の硝酸イオン濃度(栄養状態の指標)の間に強い相関関係を確認
  • 開発した予測モデルは高い精度で追肥の必要性を判断可能
  • スマートフォンと簡易測定キット(ARマーカー付き専用紙とセロハンテープ)で実施可能
  • 若い葉でも正確な栄養診断が可能なため、従来法より早期の栄養不足検出が実現

実用化への道筋

この研究成果を基に、当社では「トライコーム密度測定システム」の実用化を進めています。このシステムは専用の測定用紙とスマートフォンアプリを組み合わせたもので、専門知識がなくても簡単に栄養診断が行えるようになります。

研究論文は既に国際学術誌「IEEE Access」(2024年11月発行)に掲載され、科学的検証が完了しています。論文はIEEE Xploreデジタルライブラリで公開されており、専門家による厳正な査読プロセスを経ています。

今後の展開

現在、この技術を他のトライコームを持つ農作物(ナス、ジャガイモ、スイカ、大豆など)にも応用するための研究を進めています。また、画像処理アルゴリズムの改良により、さらに精度の高い診断システムの開発も視野に入れています。

この技術により、最適な肥料管理、早期の栄養不足検出、環境負荷とコスト削減など、持続可能な農業の実現に貢献することが期待されます。論文著者らは、この技術が特に小規模農家や新興国の農業生産者にとって、低コストで実装できる実用的ソリューションになると指摘しています。

論文情報
"A Smartphone-Based Method for Assessing Tomato Nutrient Status Through Trichome Density Measurement"
IEEE Access, vol. 12, pp. 171304-171327 (2024年11月18日)
DOI: 10.1109/ACCESS.2024.3500215

お知らせ一覧に戻る公開日: 2025年3月10日

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