平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、合同会社ファジー・フォリエッジ・テクノロジーズは、開発を進めておりましたリアルタイム植物表面アナライザ『Trichome Detector』のオープンベータテストを本日より開始いたしました。
▼ オープンベータテスト版アクセス先
https://scanner.fuzzy-foliage.com
開発の背景
当社は設立以来、「学術と実践のギャップを埋める」ことをミッションに掲げ、植物の状態を客観的かつ定量的に把握する技術を研究してまいりました。本アプリケーションは、その中核をなすプロダクトです。C++で実装された高度な画像処理アルゴリズム(OpenCV)をWebAssembly技術を用いてブラウザ上で直接実行させることにより、サーバーを介さない高速かつセキュアなリアルタイム解析を実現しました。
植物のトライコーム(表面の毛)の密度は、その植物の栄養状態や環境ストレスを反映する重要な指標となることが研究で示唆されています。つまり、トライコームを継続的に測定することで、栽培者は肥料が適切に効いているか、あるいは植物が何らかのストレスに晒されていないか、といったことを客観的なデータに基づいて判断する目安を得ることができます。
この技術の学術的な詳細につきましては、先日公開した研究成果(トマト栽培における栄養状態診断に関する研究結果)もぜひご参照ください。
『Trichome Detector』の主な特徴
- インストール不要: URLにアクセスするだけで、PC、スマートフォンのWebブラウザからすぐにご利用いただけます。
- リアルタイム解析: カメラ映像からリアルタイムで対象物を検出し、密度などの特徴量を即座に数値化・可視化します。
- クライアントサイド処理: 全ての画像処理はご利用のデバイス内で完結します。撮影データが外部に送信されることはなく、プライバシーとセキュリティが保護されます。
- 高精度な測定: 専用のArUcoマーカーを用いることで、正確な関心領域(ROI)を指定し、一貫性のある定量的な測定が可能です。
オープンベータテストについて
本ベータテストは、広く皆様にご利用いただくことで、機能改善やパフォーマンス向上に繋げるためのフィードバックをいただくことを目的としております。ご利用中に気づいた点やご要望などがございましたら、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
なお、測定に必要となるマーカー用紙は、ネットワークプリントサービス「メディバンネップリ」にてご提供しております。上記リンクからご購入後、お近くのコンビニエンスストアのマルチコピー機で印刷いただけます。本取り組みは開発者への支援も兼ねておりますので、プロジェクトの継続と発展のため、皆様の温かいご協力を心よりお待ちしております。
今後の展望
今後は、皆様からのフィードバックを基に、検出精度の向上や対応する分析項目の拡充、さらにはAIを活用した対象物の自動分類機能などの実装を計画しております。私たちは、テクノロジーの力で誰もが植物の状態を深く理解できる未来を目指し、開発を続けてまいります。
皆様には、引き続きご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。